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エレウシス教における罵詈雑言?

デーメーテール讃歌において、人間の老婆に身をやつしたデメテル女神が、エレウシスの名士ケレオスの館に招かれ、娘を喪った悲しみを胸に沈黙していたところ、イアムベーなる女が卑猥な冗談を言って女神の心を和ませた、という記述がある。

  ついに機転の利くイアムベーが女神に向かってしきりに冗談を言い
  畏い女神の尊を楽しませ、微笑み笑わせて御心をなごませた。
 (ホメーロス著、沓掛良彦訳『ホメーロスの諸神讚歌』ちくま学芸文庫、2004年_202-3行目)

いや卑猥な冗談ってなに。

Helene P.Foley編『The Homeric Hymn to Demeter_Translation,Commentary,and Interpretive Essays』PRINCETON UNIVERSITY PRESS,1994

これを読んでいるんですけど、これによるとアリストパネスの『蛙』のコロスとしてエレウシス教の入信者が登場し、だらしない言葉や政治批判など行っているとのこと。

 【コロス】
  みんなでいっしょに
  アルケデモスをからかってやろう。
  あいつは七つになっても縁者が生えない
  ところが今じゃデマゴーグ
  地上の亡者をひきいている、
  そしてかしこの悪党の大親分。
  それから人の噂によれば
  墓場でクレイステネスは
  自分の尻の毛を抜いて、頤かきむしり
  うずくまっては胸をうち
  嘆き慟哭しているという、
  セビノスを。こいつはお尻が祖先だ。
  それから人の言うところでは
  馬助の子カリアスは
  獅子皮をば身にまといヴェヌスが丘で戦っている。

  (高津春繁・呉茂一『アリストパネス傑作選(2)Kindle版』グーテンベルク21、2008)

※ここでのコロスは、エレウシス教の入信者としてイアッコス歌をうたっているとされている。

な、なるほど、、、
なかなか、性器の名前を叫ぶ小学生みたいな感じではないけど、
人のうわさ話を下品な方向に振り切ったというか、
ヤフーニュースのコメント欄か?みたいな、そんな感じですね…。
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